さ、急いで!急いでっ!
バーチャル世界って聞いただけでも、ワクワクするよ~!
バーチャル世界の課題だって!ゲームでもするのかな?
そういえば、最近は3Dゲームが大盛況だね。
人をリアルに操ったり、奥行きのあるフィールドを走り回ったり、
最近はVRでバーチャル世界に飛び込めるもんね。
実は、こういったゲームのような世界が、
自動車開発にも活かされているんだ。
3Dで車をつくって動かしてみたり、3Dプリンターで印刷したり、
ぶつかったら車はどうなるんだろうってシミュレーションしたりね。
IT業界で培われた3D技術は、
自動車業界にも革命を起こしているんだよ!
さ、百聞は一見にしかず。エンジニアに話しかけてみよう!
あら、あなたが噂のエンジニアね。
私の研究室へようこそ。ふふふ、期待しているわ。
ここは、この王国研究所の
ありとあらゆる先進技術を結集して作った研究室。
今、私が行っているのはシミュレーション。大量のPCが並んでるの分かる?
これを使って、クルマを実際に作り始める前にPC上でシミュレーションをするの。
いわゆるCAEってやつね。
CAEって聞いたことある?
CAEは、PCを使用した解析(Computer Aided Engineering)の略称なの。
必要なデータを3DCAD等で作成したあと、
そのデータを使用して熱の流れ、構造の耐久性などを
シミュレーションしたりして、実物がなくても製品を作れる優れた代物よ。
2000年以降、IT技術が急激に進歩した流れで、
数年前から自動車業界は空前のCAEブーム。
製品を作らなくてもいいから、
コストが抑えられる・時間が削減できるといいことだらけ。
でも、設定ミスで全然違う結果が出たりするから過信は禁物。
最後はちゃんと製品でテストするのよ。
見込み通りね!
いま困ってるのは、この新しい車に搭載する予定のバッテリーの冷却システム。
どうしても結果に不自然な点があるの。
ぜひ、見てほしいわ。
まずは、一緒にいろいろなCAEを試してみてくれるかしら?
その上で、総合的に不具合を分析したいわ。
CADで作られたモデルで、熱が車の中をどう流れていくかを
シミュレーションするわよ。
時間とともに、どこが熱くなりやすくて、
どうやって冷まされるのかが画面で見てみましょう。
電気を使うバッテリーはとても熱くなりやすいから、注意が必要よ。
あなたのスマートフォンも使ってると熱くなるでしょ。
うーん、やっぱり熱を逃がす流れがおかしいのかも・・。
CADで作られたモデルで、充電するときに漏れる電波を
パソコン上でシミュレーションしてみましょ。
電気自動車で使用される電気は高電圧・大容量。
その電気が空気中に漏れると、周りの電子機器に影響を及ぼすかも。
見えない電波をパソコン上で可視化して、
悪い電波が漏れないかを調べてみようかしら。
充電中に悪い電波が漏れていることはなさそうだわ。
CADで作られたモデルで、バッテリーの耐久性を
パソコン上でシミュレーションしてみようかしら。
デコボコ道を走って振動を受けるかもしれないし、
事故でバッテリーが破損するかもしれない・・・。
どの部分が構造上強いのか、弱いのかを
シミュレーションして対策へとつなげる、という算段ね。
構造上の耐久性は問題なさそうね。
強い振動や衝撃にも耐えれそうだわ。
ありがとう。なるほどね。
どうやら、バッテリーの冷却システムがおかしいみたいね。
さて、どうやって解決するかな・・・。
数日後・・・・・・。
おまたせ。あなたのおかげで、なんとかトラブルをクリアできたわ!
さすが、テストエンジニアリングの申し子と言われるだけあるわ。
あ、あなたのこと、このあたりでずいぶん噂になってるのよ。
ご一緒できて嬉しかったわ♡
すごい! バッテリーの冷却システムの改良も進んで、
より安全・安心な製品が開発されたね!
最近はPCを使用したシミュレーションテストが急増していて、
このCAEもそのひとつ。
シミュレーションテストを駆使することで、
モノ、時間、お金の無駄を省くことが可能になるんだね。
PCの性能、IT技術の進化によって、
自動車開発の手法はまだまだ変化していく。
この先、どんな新しいテストエンジニアリングが求められ、
生まれていくのか・・・。
多くの技術者たちが、その未来を楽しみにしているんだね!