さー、研究室へ行くぞ~。
電波に関する課題って、何だろうね~。
電波といえばなんだけど、
電子レンジで食べ物が温まる仕組みって、どうなってるか知ってる?
機器から電波を発生させて、食べ物に含まれる水を
急激に振動させることで熱を作りあっためるんだって。
電波って聞くと携帯電話やテレビをよく連想しちゃうけど、
色んなところで人の生活に役立っているんだね。
こんな見えないものをコントロールするなんて、
人間って本当にすごいよね~。
さあ、雑談もこのぐらいにして、研究室にレッツゴー!
むむむ、私のアンテナがピクピクと動くぞ。
すっ、すごいエンジニアが来たようだ。自己紹介はいらないよ。
君が所長や仲間たちの言ってたテストエンジニアだね。
ここでは、とっても先進的な電気自動車を開発していてね。
なんとインターネットに繋がるコネクテッドシステムを作っているんだ。
ところが、なんだかうまくいかなくてね。
そこで、テストエンジニアの君に電波テスト、
即ちEMCテストってやつをやってほしいのさ。
ところで、EMCについてはわかるかな?
EMCは、電磁波両立性(Electromagnetic Compatibility)の略称で、
電気自動車・自動運転車を開発する上での大きな課題の1つ。
世の中にはテレビや携帯電話など公衆の電波に加え、
みんなが持ってる電子機器もなんらかの電波が漏れているんだ。
それらによって、車の電子部品が誤動作しないように、
また、車の電子部品から出る電波によって、
周辺の電子機器に悪い影響を及ぼさないようにする必要があるんだ。
つまり、「悪い電波を受けない」、そして、
「悪い電波を出さない」の2つを両立させるということだね。
車の電子部品が誤動作しちゃうと、
大事故につながってしまうこともあるから、EMC対策はとても大事なんだ。
エクセレント!
で、早速なんだけど、この電気自動車のコネクテッドシステムが
正常に動くかを検証してほしいんだ。
もしかすると、この電気自動車自体から悪い電波が出てるのかも・・・。
いや、まさかね・・・。
モーターから漏れる電波が、
インターネットの電波の受信を妨害するかも?
電波を受けるアンテナと専用の測定器を使って、
悪い電波が出ていないかを調べるよ。
基準以上の電波が出てたらNGだよ。
なんてこった!
モーターから出る電波が強すぎて、コネクテッドシステムを妨害している!
どうやら、今のままじゃ車でインターネットにつなぐのは難しそうだ。
くっ、目に見えない電波が原因だなんて、大誤算だ!
さっそく、電波を抑え込む設計に変更だ!
充電するときに悪い電波が漏れるかも?
悪い電波が出ていないか、
充電器あたりにアンテナの照準を当てて
専用の測定器で調べてみよう。
基準以上の電波が出てたらNGだよ。
充電中に悪い電波が漏れていることはなさそうだ。
信号発生器を使って、ラジオ・テレビ・携帯電話などで
使われている電波を作り出し、車のシステムに照射してみよう。
インターネットの接続が途切れなかったらOKだ!
うん、公共の電波によって誤動作することはなさそうだ。
数日後・・・・・・。
ふー、つかれたー!無事に課題を解決することができたよ!
ぼくらみたいな開発エンジニアの仕事も大変だけど、
きみのようなテストエンジニアも大変だよね。
なんたって、課題を見つけることが、仕事なんだから。
さすがだなあ〜。電波干渉が解決されて、
自動車に万全のEMC対策が施されたよ!
電気自動車の性能が上がって強い電気が流れるようになると、
その分、強い電波が外に漏れる可能性がある。
この電波が漏れると、車の電子システムを誤動作させたり、
公共の電波に影響を及ぼしたりと大変なことになるんだね。
このEMC対策は、電気自動車と自動運転の
2つのシステムを成立させるために、
避けては通れない問題!
そのテスト技術はこれからも必要とされ続けるだろうね。