先進運転支援システム
ADASとは、ドライバーの安全・快適を実現するために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに的確に表示・警告を行ったり、ドライバーに代わって自動車を制御するなどの運転を支援する機能の総称。私たちはADASで使われるカメラ、ミリ波レーダー、ソナーセンサーを中心に様々な試験を行っています。
試験内容
私たちのチームの主な業務内容はソフトウェア検証、走行試験、電波障害試験があります。
1つ目のソフトウェア検証です。は各部品の中にはソフトウェアが組み込まれており、開発段階で何度もソフトウェアがリリースされます。それらが正常に作動するか確認する試験です。
2つ目に走行試験です。自動車は未舗装路や雪道など様々な路面状況で走行します。走行試験ではテストコースを使ってこれらの路面を走行しエラーが発生しないか、性能面において不具合が発生しないかを試験しています。
3つ目は電波障害試験です。シールドルームと呼ばれる外からの電波を遮断できる特殊な試験室で各部品から電磁波が流れて他のユニットの動きを妨害していないか検証する試験を行います。

各ユニットの専門的な業務内容
・カメラ
カメラで画像を認識しているかという画像認証試験があります。カメラが正しく作動するための校正作業です。この作業は工場生産時やディーラーでの車検の際にも行われています。
検証では自動車の前にターゲットを設置して*エイミングした際の測定値と設計値の誤差がないかを測定します。
*エイミング:カメラが付いたフロントガラスの交換、バンパーなどの修正を伴う板金作業を行ったときに先進安全装置を正しく作動させるために行う校正作業
・ミリ波レーダー
ミリ波レーダーでは主に実車を使用した検証が多く、試験の1つの例として「プール飛び込み検証」というものがあります。
この試験では冠水時を想定してミリ波レーダーが雨に濡れても誤作動を起こさないか、水圧によって軸がずれないか等を検証します。

・ソナーセンサー
ソナーセンサーの主な試験はセンサーの精度の確認です。
実際に車両の前後に、障害物を設置しセンサーが障害物を検知しているか。そこにないものを「ある」と判断していないか、などの検知範囲を記録し定められている規格・条件を満たしているかを検証しています。また実際にテストコースに出てセンサーの不具合がないか、誤ったものを検知していないかなどの確認も実施します。ソナーセンサーは検知情報によって自動でブレーキをかける機能が備わっており、このブレーキの検証も行っています。
主な試験はテストコースに出て障害物を設置しアクセル全開や低速走行でも、しっかり自動ブレーキが作動するか。反対に線路や道路の溝では自動ブレーキが作動せず安全に通過できるのか確認しています。急な坂道や下り坂、大きな穴の開いた道路やガタガタの悪路など様々なコースでも試験を行います。

ADASの今後と私たちの立ち位置
最近では、ADASの一部の機能の搭載が法令で義務化されていることもあり、国内外、メーカー問わず多くの車両がADASシステムを搭載しており、今後は更に増えていくことでしょう。
この先、ADASシステムは日々進歩をしていき、自動車は今以上に安全な乗り物になるため様々な進化を遂げていきます。
その技術が発展していく日々の中で、私たちは安全な車社会を支える一員として働いています。