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EMC評価

主に電気自動車の充給電及びeAxle部品を対象としたEMC規格の法規適合性及び自動車メーカーの要件テストを担当しています。
電気自動車を販売する場合、販売する国や地域で定められたEMC規格や製品別に定められたEMC規格をクリアしないといけないため、各国の法規に対応したEMC試験を日々こなしています。

EMCについて

EMCとはその機器のノイズが他の機器に対して影響を与えず(エミッション)、また他の機器からノイズを受けても自身も満足に動作する耐性(イミュニティ)のことです。この2つの側面を両立した車両を開発するためにEMC試験は必要となります。
以下は実際に私たちのグループで行っている試験になります。

試験概要

【エミッション試験】

・低周波EMI/EMF試験

各座席の誘起電圧を測定し、基準値以内であることを確認します。
この試験より、高電圧部品動作時に発生する低周波磁界がペースメーカーを誤動作させる危険性を無くし、身体障がい者の運転が実現されます。

・FCC Part15 class B

米国のEMC規格であるFCC試験は、「電波暗室」と呼ばれるノイズを遮断 する部屋で行います。アンテナで全方向から車両が放射するノイズを 周波数ごとに測定します。EMC規格がクリアできない場合は、地道に原因 を解明していき、対策を実施します。

【イミュニティ試験】

・ECE-R10 雷サージイミュニティ

ECEとは国際連合が発行したEMCの規格となり、その中でもR10は車両の充電中におけるEMCを評価する項目となります。
そのうちの1項目である雷サージ試験では充電中の車両が雷などで発生する急峻な電圧変化によって誤動作や充電停止などの不具合がないかを確認します。最大2400Vもの高電圧を扱うので安全を意識しながら試験を行います。

・ノイズ注入試験

車両の高圧部品や12V系補器部品にノイズを注入し、電子部品の各部機能 が失われないかを見る試験です。
走行時においては、PCU(パワーコントロールユニット)に対してノイズを 注入し、警告灯の点灯や車両の誤動作などがないかを確認します。

最後に

他にも様々なEMC試験を行っており、電気自動車の対象部品が正常に動いているか確認しています。
また、今後自動車業界では部品の小型化が進み、空いたスペースに多くの電子部品が搭載されていきます。
これにより試験数も増加するためEMC試験は今後の自動車開発において欠かせない要素となっています。

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